今回は腫瘍に関するカテゴリー分類を見ていきます。読影試験を受けるにあたって、これを知らないとスタートラインにも立てていないと言えるくらい大事な暗記事項です。頑張っていきましょう‼︎石灰化のカテゴリー分類の記事もありますのでまだの方はぜひそちらもみてみてください

マンモグラフィにおいて腫瘍とは?
今日、後輩に腫瘍って何ですかって聞かれたけどしっかり答えられなかった‥
意外と難しいよね。マンモグラフィでは2方向撮影にて認められる占拠性病変のことを指すよ‼︎
MGを始めたばかりの後輩から腫瘍とは何ですか?聞かれた時、先輩のあなたは何と答えるでしょうか。腫瘍という言葉は誰でも知っていますが、MG上でどの様なものを示すのかしっかりと答えるには少し知識が必要です。腫瘍はmassとも表現されます。
マンモグラフィで、腫瘍を見つけたらレポートになんて書く⁈
右L・I領域に腫瘍発見!レポートに書くぞ〜‼︎
MGにて2方向撮影を行い腫瘍を見つけたとします。レポートを書く際、ここに腫瘍がありますとは書けませんね。(笑)レポートは誰が見ても同じように捉えられるように決められた所見用語を用いて表現する必要があります。形状の表現に関しても観察者によってバラバラだと困りますよね。
なぜ決められた用語でマンモグラフィーの所見を書く必要があるの?
例えば、検診機関から精査機関へデータを送る際も、腫瘍を表す所見用語が規格化されていないとミスの元になります。よって、その施設で初めに画像を観察する私たち放射線技師が、医師に所見を伝える際には規格化された所見用語を用いて、それを元に適切なカテゴリー分類を行うことが大切です。
覚えるのは形状・境界および辺縁・濃度の3つだけ!頑張ろう。
腫瘍に関してレポートが書けるように必要な用語を覚える
覚えるべきは、形状・境界および辺縁・濃度の3つです。早速見ていきましょう!
形状
ここでいう形状とは腫瘍の全体を見たときに決定されるものです。どんな形であっても必ず以下の4パターンのどれかで表現しなければいけません。
ここでは辺縁は考慮しないよ!
- 円形あるいは楕円形
- 多角形‥丸みを帯びた多角形で陥入部を持たないもの
- 分葉形
- 不整形‥1から3のどれにも分類できない形のもの
境界および辺縁(マンモグラフィのカテゴリー分類に直結‼︎しっかり覚えましょう)
ここでは5つの項目に分けられます。
1〜4は数字が大きいほど悪性の可能性が高くなるよ!
- 境界明瞭平滑‥その名の通り腫瘍の辺縁が明瞭であるものを指す。目安としては鉛筆で境界をなぞろうと思った時、それが出来るような平滑なもの。
- 微細分葉状,微細鋸歯状‥境界は比較的明瞭だが辺縁が凹凸または毛羽立っているようなもの。
- 境界不明瞭‥腫瘍が浸潤していることにより辺縁が追えない様なもの。
- スピキュラを伴う‥これが見られた場合はカテゴリー5となる。浸潤性乳管がんが最も多い。
- 評価困難‥腫瘤の一部が正常乳腺と重なることで評価困難であることを指す。
濃度
濃度を評価する際は、正常乳腺と比較をします。
乳がんの場合は正常乳腺と比較して等濃度or高濃度となることは覚えておきましょう。
- 脂肪濃度を含む
- 低濃度‥乳腺よりは濃度が低いが脂肪はない
- 等濃度
- 高濃度
カテゴリーを決定するにあたっての注意事項と最終確認
カテゴリーに影響するのは?
カテゴリーに直結するのは境界および辺縁だけじゃないの?
基本的にはカテゴリー分類を行うにあたって必要なのは境界および辺縁の情報のみです。しかし、形状や濃度に応じてカテゴリーが変わる場合もあるため必ず覚えましょう。
カテゴリー分類を行った後の所見の書き方
所見を綴る際には右乳房〇〇領域に形状→境界および辺縁→濃度の順でその腫瘤の状況を書き、最終的にカテゴリー分類を書きます。所見の書き方として一例をあげます。
実際はどんな感じで書くの??
右MO領域に円形で境界明瞭平滑な高濃度腫瘤あり。カテゴリー3とする。って感じかな。
所見をつける上で最後に1つだけ!それはここで学んだ腫瘍の表現方法以外では記載してはいけません。形状一つにしても必ずここで覚えた4つの中のどれかに振り分けて書く必要があります。丸っぽい腫瘤とかもNGです(笑)。
誰が見ても共通の認識が持たれるレポートにするのが大事なんだね!
マンモグラフィー の腫瘍におけるカテゴリー分類表
お待たせしました。ここではお待ちかねのカテゴリー分類表の登場です。
直接カテゴリー分類に関係するのは境界および辺縁ですからとりあえずはシンプルに考えてOKです。それが頭に入った方は、カテゴリーの下にある文言も頭の中に入れておくと良いかと思います。

ここではカテゴリー分類ができる様になるまでの超基本の解説をしました。ここまでマスターした方は、実際の病気と繋げていきましょう。
例えばスピキュラを伴う腫瘤であったり境界明瞭な腫瘤はどんなものがあるか等々です。それに関しての記事はまだ未掲載ですので、気になる方は以前の記事でおすすめした参考書籍にて詳しく書いてありますので参照してください。↓↓↓
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