診療放射線技師国家試験対策-マンモグラフィ関連問題の解説

診療放射線技師国家試験におけるマンモグラフィ関連問題の解説 国家試験

今回は国家試験の問題を解説するよ‼︎

マンモグラフィの内外斜位像(MLO)撮影で正しいのはどれか(60回PM71)

  1. 圧迫は乳房の外側から行う
  2. 圧迫後にカセッテホルダ面の角度を決定する
  3. カセッテホルダは大胸筋外側と90度交差させた状態で固定する
  4. 左右を示すマーカーは乳房から離れた位置に置く
  5. 乳房の上部内側がブラインドエリアとなりやすい

正解は4と5です。

まず、MLOときたら乳房の内側から圧迫でしたね。選択肢1はポジショニングの解説記事を読んでくれた方はすぐに間違っていると気づいていただけたはずです。ピンと来ない方はもう一度記事の中のイラストを参考にしてみてください。

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選択肢2はどうでしょう。ここからはあなたがポジショニングしていると思ってイメージしてみてください。

えーと、まずは機械が患者さんの右側に移動して、、

その後は自分の左手で患者さんの右乳房をポジショニングして圧迫板で固定するね‼︎

圧迫が完了したら早く撮らないと患者さんはしんどいね、、、

問題文のようにされたらたまったもんじゃない‼︎先にやっといてくれって怒るかも

圧迫が終了したら患者さんを早く痛みから解放してあげるためにもすぐに撮影に移るのはなんとなく想像できるでしょうか。もし、自分が患者さんだったら、、圧迫されて痛い中機械の角度を調整されたらどうでしょうか。早く撮ってくれとなりますね?ちなみにカセッテホルダ=支持台と思ってもらって大丈夫です。因みに、この設問を正しい文にすると乳房圧迫前のポジショニングの段階でカセッテホルダの角度を大胸筋の角度に合わせて決定するです。この角度は施設によっても異なりますが60-70の間が一般的です。ここまで知っていれば選択肢3も間違いであることがわかりますね。

選択肢4を見ていきます。これも臨床で働いている技師なら常識問題ですが、働いていないとイメージがつきにくいかもしれませんね。MGに限らずレントゲン領域では撮った画像が右膝なのか左膝なのか或いは立位なのか座位なのかマークを画像上に入れて出力します。施設によって入れる場所は異なりますが基本的には画像がメインマークは補助であるため画像の端に入れてメインの画像に被らないようにします。見たいところがマークに被ったら検査の意味がなくなってしまいますね。ですのでこの場合も乳房がメインでマークは端にひっそり置く感じになります。続いて選択肢5です。これはポジショニングの解説記事の内容で十分解けると思うので分からなかった方はもう一度見てみてください。

日本人女性のMGにおける適切な乳腺圧迫圧(N)はどれか(61回PM75)

  1. 10-30
  2. 40-60
  3. 70-90
  4. 100-120
  5. 130-150

正解は4です。

これもポジショニングの記事で解説していましたね。ただ、臨床に出た時には闇雲に圧迫圧にこだわらないようにしてくださいね。術後の患者さんであったり生理前の乳房が張っている時期だと痛みが強く出ます。私も大学病院等3施設で経験を積みましたが時には30Nで圧迫することも多々ありました。

圧迫圧をむやみに上げても乳腺が広がっておらず乳房厚が減らない状態ではせっかく圧迫しても良い画質、そして被曝の低減にもなりません。ただ患者さんが苦しいだけなので乳腺を手でしっかりと広げた上で圧をかけるということをぜひ覚えておいてください。

MGのMLO撮影で正しいのはどれか(63回PM75)

  1. 200N以上で圧迫する
  2. 撮影時の体位は背臥位である
  3. カセッテホルダ面に対して直角に照射する
  4. カセッテホルダは乳房の内側に設定する
  5. 撮影台の角度は大胸筋の走行角度で決定する

正解は3と5です。

この問題は新たに解説することは何もありません。カセッテホルダ=支持台ということだけ押さえておけば問題ないはずです。X線管球は右のMLOなら右側へ移動し、X線は乳房の内側から支持台(カセッテホルダ)に対して垂直に入射します。グリッドも使用していることも考えると、X線を射入しても良いことはありませんね。この問題がピンと来ない方はマンモグラフィーの撮影風景のイラストなどをみてみることをお勧めします。おそらくここで述べていることがピンとくるはずです‼︎

乳房X線撮影で乳房を圧迫して際に増加するのはどれか(68回)

  1. 散乱線
  2. 乳腺の観察域
  3. 幾何学的ボケ
  4. 乳腺組織吸収線量
  5. 被検者の動きによるボケ

正解は2です。

散乱線は被写体の厚みが減るほど少なくなります。散乱線は画質の低下を招くため、圧迫することで乳房厚を薄くして画質の向上を図ります。前にも述べましたが圧迫するだけではなく、圧迫することによって乳房厚を減らすことが重要です。

選択肢2は正解です。乳房を手でしっかりと広げて圧迫することで乳腺の重なりが減少し、観察域が広がります。

選択肢3をみていきます。これは撮影技術学で習ったであろう半影のイメージでよろしいかと思います。X線は放射状に入射されるため厚みが大きい被写体ほどボケも大きくなります。

選択肢4を見ていきます。これは非常に重要です。乳房を圧迫して厚みを減らすことができれば被曝も少なくすることができます。ここでも、圧迫することが重要なのではなく、その結果乳房厚が減るところが大切です。厚みが減らない領域でそれ以上圧迫しても被曝は減りません。

選択肢5はイメージがつきやすいかと思います。当たり前ですが乳房を支持台に置いただけでは撮影の合間に動いてしまいます。動きはぼけとなるため圧迫することでモーションアーチファクトの低減にも役立っているのです。

診療放射線技師を目指す学生さんへ

お疲れ様でした。ここまで読んでくださってありがとうございます。本ブログはマンモグラフィ認定試験対策がメインですが、国家試験対策のカテゴリも設けてみました。他にも解説してほしい問題があればなんでもDMして下さいね。

管理人は学生時代、マンモグラフィに全く興味がありませんでしたが、就職してからその魅力を先輩技師に教えてもらい頑張るようになりました。特に読んでくださっている方が女性の学生さんでしたら、こんなブログがあったなぁと覚えておいてもらえたら嬉しいです。認定試験を受けることになったらぜひまた覗いて下さいね‼︎

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