診療放射線技師国家試験におけるポジショニングに関する出題傾向
これまで出題されたMGに関する問題からポジショニングに関する問題を解説します。超ラッキー問題なので確実に正解できるようにしましょう‼︎国家試験に基づいて記事を書いていきますが、撮影を始めたばかりの現役の放射線技師に方にも是非読んでいただきたい内容になっていますのでぜひ‼︎
マンモグラフィのポジショニングに関する基本事項
CC撮影とMLO撮影
国家試験で知っておきたい撮影方法は2つです。CC撮影とMLO撮影です。名前は聞いたことがあるでしょうか。ここでおさえておきたいのは国家試験ではあるあるの別名です。撮影方法への理解へも繋がるため必ず覚えましょう
- CC‥頭尾方向撮影
- MLO‥内外斜位方向撮影
それでは順に解説をしていきます。CC撮影は真上から乳房を圧迫板で圧迫します。機械も患者さんも真っ直ぐの状態です。MLOでは乳房の内側から圧迫板で圧迫します。患者さんは真っ直ぐ機械に向かって立っていますが機械は斜めの状態です。ここでお気づきかもしれませんが、CC撮影とMLO撮影の日本語の表現はX線が通り過ぎる経路と同じです。とにかく、CCは頭尾方向撮影で上から圧迫、MLOは内外斜位方向撮影で内側から圧迫と覚えましょう。


乳房の圧迫に関して
マンモグラフィで乳房を圧迫する理由は、被写体の乳房厚を減少させて散乱線を低減することにより画質を向上させ、被曝も少なくするためです。また、国家試験の設問では乳腺組織の重なりが少なくできるともあります。
今後MGに携わるであろう方はぜひ知っておいて欲しい事があります。それは、ただ上から圧迫するのではなく術者の手で十分に乳腺を進展させた状態で圧迫することで乳腺の重なりを少なくした画像が得られるということです。ただ上から押しつぶしただけでは、乳腺の重なりが少なくなるどころか凝縮した画像になってしまいます。
この後何ニュートンで圧迫するのが望ましい等々暗記事項を書いていきますが、進展した状態で圧迫するということはぜひ臨床に出た時に思い出して撮影してみてくださいね‼︎
国家試験において乳房の圧迫圧は丸暗記で良いです。施設によって基準は異なるかと思われますがとりあえずは100N〜120Nあたりであるということを覚えましょう。
マンモグラフィにおけるブラインドエリアに関して
ブラインドエリアとはなんぞや
MGでは初めに書いた2方向の撮影が基本となっていますがなぜ2方向なのでしょうか?1方向で済めば患者さんの負担も少ないはずです。それができないのがこのブラインドエリアが存在するという証拠でもあります。ここまで述べればお分かりかと思いますがMGでは1方向では全ての乳腺組織を描出することは困難なのです。
CCでは外側上部、MLOでは内側上部がブラインドエリアになりやすいよ‼︎
ブラインドエリアをなくすことを意識したポジショニング
乳房には可動性組織と固定組織がありポジショニングは可動性組織を固定組織側へ十分に寄せて支持台に固定するのが基本です。可動性組織は乳房の外側、固定組織は乳房の内側と上部です。CCとMLOの撮影のイラストをもう一度見てください。
CCでは、可動性組織の乳房下部を十分に持ち上げて支持台に乗せ上から圧迫板で圧迫します。しかし、十分に下部組織を持ち上げずに圧迫板を下ろしていくと固定された上部の乳房は圧迫板に挟まれることなくブラインドエリアとなってしまします。
MLOでは可動性組織の乳房外側を十分に固定された内側乳房へ寄せてから支持台に固定します。しかしそれが不十分であると、圧迫板が乳房内側をうまく挟む事が出来ずにブラインドエリアとなってしまいます。ブラインドエリアが生じやすい理由を知ることで、より1枚でたくさんの乳腺組織を描出できる技師になりましょう。ちなみにMLOは乳腺組織全体も最も広く描出することができる撮影方法であることは知っておいても良いかもしれません。
実際の国家試験の問題の解説の記事もありますのでこのページをマスターしたらぜひそちらもどうぞ‼︎無事国家試験が終わった方は今度は認定試験対策の時までお待ちしています‼︎

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