マンモグラフィ認定試験における計算問題
今回はよく出る計算問題を解説していきます‼︎マンモの試験で計算あるんかいって感じですが、ほんの少しあります。計算が苦手な方はぜひこの記事を読んでみてください。必ず解けるようになるはずです。筆記試験は一問あたりの配点がかなり大きいため、計算は捨てるという考えはお勧めできません。
また、複数回答の問題もある中で計算問題は答えが一つに絞ることができる設問でもあるため、ラッキー問題でもあります。出題範囲は限られているため要点を押さえて解答が出来る様に必ずマスターしましょう。それでは早速やっていきましょう‼︎
試験対策にはこちらもどうぞ。重要単元をイラストを用いて問題にしてあります。赤シートをよく使う方、自分なりにファイリングして資料をまとめていきたい方には役に立つかもしれません。サンプルもあるので是非ご覧ください。

AEC作動時の平均乳腺線量(AGD)の確認
計算問題の前に知っておかないといけない知識だよ‼︎赤字は絶対暗記‼︎
計算問題も頻出ですが、こちらも必ず覚えておきたい項目です。目的、必要物品、方法そして合格基準をみていきます。試験で問われる重要ポイントは特に強調しておくのでしっかりとマスターしましょう‼︎
目的
PMMAの厚さを変えた時(20mm,40mm,60mm)の平均乳腺線量を測定してAECの作動を確認する
必要物品
- PMMA10mm×6
- マンモ領域で使用できる線量計(低エネルギーで校正済のもの)
方法
厚さ40mmmのPMMAを乳房支持台に置き、圧迫板はそれに接するように下ろします。(つまり圧迫板有り)次に、普段臨床で使用している通りにAECを作動させX線を照射します。ここで、照射時の撮影条件を記録します。PMMAは一旦除きます。
そいえば圧迫板の有無は絶対覚えようってパート2で言ってた気がする‥
今度はマニュアルモードに変更し、先ほど記録した撮影条件に設定します。もし同じmAs値が設定出来ない場合は、そのmAs値を上回る最も近い値にします。
ここでやっと線量計の登場です‼︎線量計の実効中心を乳房支持台の左右中心にし、胸壁から60mm、高さを40mmに合わせます。ここでも圧迫板を線量計ギリギリまで下げます。この状態にして先程設定したマニュアルモードで照射し、入射空気カーマを記録します。
このあと、PMMA20mmと60mmに関して同じ手順を行います。最後に、測定した入射カーマと各係数を用いてAGDを算出します。

合格基準
PMMA40mmにおいて2.4mGy以下(グリッド有りの場合)
マンモグラフィにおける被曝について
被曝の指標として、1照射あたりの平均乳腺線量を3mGy以下(乳房圧迫厚42mm,乳腺組織50%,脂肪組織50%の乳房構成による)とされているのも知っておきましょう。マンモグラフィにおいて、被曝にかなり敏感であるのには理由があります。乳腺の放射線感受性が高いためです。簡単にいうと放射線による影響を受けやすいということです。
確定的影響
生物の授業で習った記憶がぼんやりあるとは思いますが、確率的影響というワードを聞いてなんとなくでも思い出せるでしょうか。〇〇 Gy以上放射線を照射すると体になんらかの影響が必ず出ると分かっているのが確定的影響でした。
確率的影響と遺伝的影響
そして、がんや遺伝的影響のように閾値はないけれど、放射線を受けた量が多いほどその影響を受ける確率が上がるというのが確率的影響でした。感受性は組織によって異なるため、等価線量(吸収線量×放射線荷重係数)に組織ごとの感受性を示した係数である組織荷重係数を掛け合わせると実効線量が算出されます。この組織荷重係数は各部位の値を合計する(全身)と1になります。
乳腺の組織荷重係数
2007年に0.05→0.12に引き上げられたよ
つまり、より感受性が高い組織として被曝管理をしてくださいとなってきているわけです。少し話がそれましたが、この品質管理項目は被曝に関して直結する管理項目であるということを再認識して、この先もみてみてください。患者さんに被曝大丈夫なの?と聞かれた時に自信を持って答えられる技師になりましょう‼︎

AGDとは?
AverageGlandularDoseの頭文字をとってAGD、日本語では平均乳腺線量と表記します。マンモグラフィにおける線量評価において最も妥当な評価法とされおり、皮膚ではなく感受性の高い乳腺で被曝の評価をしているものです。平均的な乳房の乳腺への被ばく線量を使用することが提唱されています。被曝線量評価に利用されているということは、マンモグラフィの被曝に関する話をする上では必ず知っておかなければいけない用語の一つです。
AGD算出の式
やっと計算ぽくなってきたぞーー
平均乳腺線量を算出するにはDanceの式を使用します。この式は必ず覚えてください。
AGD=k・g・s・c
- K:入射空気カーマ[mGy]
- g:乳腺量50%に相当する係数[mGy/mGy]
- s:ターゲットとフィルタの組み合わせに関する係数
- c:乳腺量50%から異なる乳腺量を補正する係数
計算なんて学生以来だし、やっぱりちょっと難しそうと思った方!この式に含まれている係数に関して1つ1つ見ていきましょう。試験で問われる部分はほぼお決まりなので大丈夫です。気楽に何度も取り組んでマスターしましょう!
係数Kに関して
kは入射空気カーマです。いきなり物理で聞いたような単語を並べられても、、という方も身構えなくて大丈夫です。要はどのくらい照射したのかということです。簡単に言い換えると入射線量です。それなら単位もmGyで問題なさそうですね?実際のkに当てはまる数字はどこから持ってくるのかというと、自分で実測します。この品質管理項目の準備品に、マンモグラフィで使用できる線量計があったかと思いますが早速ここで使用します。これで係数kはOKですね‼︎
係数gに関して(重要)
gは乳腺量50%に相当する係数です。これもなんだそりゃってなりますね。これも簡単に説明していきます。まず、乳腺量50%って何?ってなりますよね。冒頭でも少し述べていますが、今回の管理項目で算出するのは代表的な乳房に対する平均乳腺線量(AGD)です。ここでいう代表的な乳房が以下に示す通りです。
- 圧迫厚42mm
- 乳腺50%
- 脂肪50%
ここまででなんとなくお察しいただけるかと思いますが、算出したいのは平均的な乳房に対する値なので、係数gをかけることにより変換するというわけです。係数gを算出するには乳房厚と半価層が必要です。実はここが試験の計算問題で重要ポイントになってくる部分です‼︎(計算問題に関しては後ほど‥)単位はmGy/mGyとなっているため、入射空気カーマのmGyと掛け合わせるとmGyがAGDの単位として残ります。
係数sに関して
sはターゲットとフィルタの組み合わせに関する係数です。臨床においてもターゲットとフィルタは複数の組み合わせがあるかと思いますが、それぞれに関して係数が定められています。全て暗記する必要はないかと思いますが、ポイントだけ押さえておきましょう!まず、係数sは全て1以上であるということです。また、Mo/Moの組み合わせだと係数sが1.000であるということは知っておきましょう。計算問題でもおそらくMo/Moが選択されてるのではないかと思います。(計算が簡単なので)
他のターゲットフィルタに関する数字は暗記まではしなくて良いかと思いますが、特徴としてMo/Moが1.000で最小、Rh/Rhが1.061で最大なのでそれ以上、それ以下の数字が出てきたら選択肢から外しましょう‼︎
係数cに関して
cは乳腺量50%から異なる乳腺量を補正する係数です。基本的に1とされているのでとりあえずはこんなのがあるんだ程度でOKです。
とりあえずsとcは1で覚えておこう‥
マンモグラフィ認定試験における計算問題対策-演習編-
大変お待たせしました。ここでやっと本題の計算問題です。これまでの知識があればそんなに難しい計算ではないので気楽にいきましょう‼︎早速問題です‼︎基本問題と応用問題がありますが、試験で出題されているのは応用問題メインであると思っておいてください。
基本問題

早速見ていきましょう。初見で解けた方は、応用問題へもぜひ進んでくださいね。この問題を見た時にたくさん数字が出てきますが、先程暗記した式に当てはめればすぐに解けてしまいます。
AGDを求めなさいときたらまずあの式を書き出そう
AGD=k・g・s・c
まず係数kを求めましょう。kは入射空気カーマで単位はGyでしたね。しかし問題文では線量を示しているぽいのは4.0×10-4 ですが単位がC/kgですね。これをまずはGyに変換します。この行程は暗記でOKですが詳しく知りたい方、ちゃんと理論を知っておきたいという方は少し長くなるので、暗記シートを活用ください。(8/14up予定 暗記シート7)照射線量から入射空気カーマへの変換を理論立てて説明しています。

4.0×10-4×34=1.36×10-2 (Gy)
次に係数gです。まだ使用していない数字もまだ幾つか残っていますね。ですが、ここは素直に与えられている係数gをそのまま使用すれば大丈夫です‼︎係数gの前に並べられている数字は係数gを算出するためのものであるため、無視してOK です。惑わされないようにしてくださいね。先程の数字に係数gをかけます。
1.36×10-2×0.311=4.22×10-3 (Gy)
次は係数sです。今回はMo/Moであるため1.000ですね。計算結果は変わりません。
係数cも基本1でしたね。よって計算結果は変わりません。
以上のことから計算結果は4.22mGyとなります。m(ミリ)=10-3でしたね
応用問題1

これも同様にまずは例の式を書きましょう。係数kはラッキーなことに与えられています。gはどうでしょうか。半価層HVLとPMMA厚が与えられていて隣に表があるということは、、自分で係数gを求めなさいということのようです。0.42は表の中にはなさそうです。PMMA厚は40mmがありますね。つまり係数gは0.232と0.258の間にあるのはお分かりでしょうか。求め方は色々あるかと思いますが、簡単な方法を紹介します。まず求めたい係数gの差は0.026(0.258-0.232)です。その間には0.4から0.45の5段階あるということは0.026を5で割ると1段階あたりの上昇分が分かりますね。0.026÷5=0.0052です。
- 0.232+0.0052=0.2372(HVL0.41)
- 0.2372+0.0052=0.2424(HVL0.42)
- 0.2424+0.0052=0.2476(HVL0.43)
- 0.2476+0.0052=0.2528(HVL0.44)
- 0.2528+0.0052=0.258(HVL0.45)
といった感じで、足していくとしっかりとHVL0.45の値になりますね‼︎つまり今回係数gとして用いるべき値は、0.2424となります。次に係数sはMo/Moなので1となり、係数cも1ですね。よって以下の式で算出します。
6.8(mGy)×0.2424(mGy/mGy)×1×1=1.65(mGy)
係数gを補完して求められるかがポイントだね。実際に出題されているのはこのタイプが多いかな。
応用問題2

これが本日最後の問題です。早速みていきましょう‼︎まずは式を書き出していきましょう。kは与えられていないので、基本問題と同様の行程で求めましょう。
3.0×10-4×34=1.02×10-2(Gy)
次にgを見ていきます。今回も表から求める問題のようですね。今回はPMMA厚40mmの行でHVL0.425の時のgを求めます。先程のやり方だと0.425だと少し難しそうですね、、、しかし、マンモグラフィの認定試験は難しい計算で困らせるような試験ではないので単純なはず、、、と思って数字をよく見てみてください。0.4と0.45の中間の数字はなんでしょうか?0.425なんです‼︎0.45-0.4=0.05ですね。その半分は0.025です。つまり、0.4から0.025大きくて0.45から0.025小さい数字は0.425となります。よって係数gは0.232と0.258の中間の値となります。0.258-0.232=0.026です。その半分は0.013です。よって0.232より0.013大きく、0.258より0.013小さい値、、、0.245となります。
sとcはいつも通りの1ですね。答えは
1.02×10-2×0.245×1×1=2.499(mGy)
となります。
マンモグラフィ計算問題対策勉強終了‼︎
以上でこの単元は終了です。覚えるべきポイントがいくつかありましたが、少なくとも赤字はしっかりとマスターしましょう。計算問題も必ず解けるようにしておきましょう。以前紹介した某サイトの練習問題にもあるはずですので、試験前にはそちらで力試ししてみてください。


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